小児の目の症状
お子様の視力は生まれてから10歳くらいまでの間に両眼で見ることで発達します。
見る機能に問題がある場合、5歳くらいまでに適切な治療をはじめることが、将来の健康な「見る」機能を維持するために不可欠です。
特に、片方だけ視力がほとんどない弱視は見逃されやすいため、注意が必要です。
当院の小児眼科では、斜視、瞳孔不同(左右の瞳孔の大きさが不均等)について調べることができる視力スクリーニングも用意してございます。カメラの方を数秒間見るといった写真撮影のような感覚で検査を受けられますので、心身への負担がありません。
お子様の目に関する心配事がありましたらお気軽にご相談ください。
こんな症状に気付いたらご相談ください
- 見る時に目を細めている
- 片方の目を隠されると嫌がる
- タブレットなどを至近距離で見ている
- 目ヤニが多い
- 何かを注視する際に頭が傾く
- 瞳の位置や方向がズレている
- まぶしがる
小児の目の疾患一例
細菌性結膜炎・アデノウイルス結膜炎
白目やまぶたの裏側を覆う結膜の充血で目ヤニを伴う場合、細菌やウイルスによる感染症が疑われます。
細菌による結膜炎は自然に治るケースもありますが、適切な治療によって短期間で治すことができます。
アデノウイルスによる結膜炎は、感染が広がりやすいため登園や登校が制限されます。アデノウイルス結膜炎は喉の炎症を伴うことも多く、飛沫感染や接触感染で広がりますので、十分注意して対策をしましょう。
家庭内でも感染予防のためにタオルの共有をやめ、手洗いの徹底や手で触れる場所のこまめな消毒も必要になります。
なお、アデノウイルスには有効な抗ウイルス薬がないので、症状を抑える治療を基本に、細菌感染を予防するための抗菌薬の点眼を行うこともあります。
また、炎症が強い場合はステロイド点眼薬を使うこともあります。
アレルギー性結膜炎
かゆみを伴う結膜の充血がある場合には、アレルギー性結膜炎が疑われます。
花粉を原因とする季節性とダニなどのハウスダストによる通年性に分けられ、花粉はスギやヒノキだけでなく、イネ科の植物など夏や秋に症状を起こすものもあります。
原因となる物質を避けることが症状の緩和には重要であり、花粉であれば外出時の対策が、ハウスダストであれば室内の清掃や換気が特に大切です。
症状を緩和するために抗アレルギー点眼薬を使い、症状が強い場合にはステロイド点眼薬を使うこともあります。
また、当院では舌下免疫療法も行っております。治療を検討されている方はお気軽にご相談ください。